平成23年度 財務情報

平成23年度決算の概要

 学校法人聖園学園の平成23年度決算が5月28日開催の理事会において承認されました。
 少子高齢化による18歳人口の減少や、大学全入時代を迎えたこと及び県内他大学に保育士養成コースが設置されたことなど、大学を取り巻く環境は一層厳しさを増しております。こうした情勢のもとで、教育研究条件の充実向上及び施設設備の充実を図って行くためには、何よりも財政基盤の安定が重要であるとの認識のもとに、例年と同様収支の不均衡が生じないよう財政の健全化に努めることを基本方針に事業計画を策定しました。
 校舎等改築事業は、前年度の実習棟増築工事・管理棟改修工事に引き続き第U期工事として教室棟改築工事を着工して8月末日に完成し、9月から共用を開始しました。また、第V期工事として進めてきた3号館解体工事・外構工事は3月末日までに完了し、改築工事は全て終了しました。
 本学の教育目標を達成するため、前年度に引き続いて「いのちの大切さについて」の講演会や保育実践に役立つ講義を中心とした「公開講座」、卒業後のケアの一環として前年度卒業生を対象とした「卒業生のつどい」やキャリア教育の一環として外部講師による「マナー教室」等の諸事業を実施したほか、秋田県が平成22度から創設した「私大・短大魅力アップ支援事業」に本学の「図書館基本整備プロジェクト」が前年度に引き続き採択され、図書館所蔵資料のデータベース化を進めました。また、教育環境の整備のため、校舎改築に合わせ、教育研究用の機器備品や管理部門の機器備品等の充実に努めました。
 本学の持っている教育資源を広く地域社会に解放するため、社会貢献活動として、前年度に引き続いて保育実践に役立つ講演を中心に、十文字学園女子大学教授平田智久氏を講師に迎え7月に「公開講座」開催し、多数の参加者で盛会でした。また、コンソーシアムあきたの主催する「高大連携授業」に本学教官8名が講師として「楽しく学べる保育入門」の講義を行い、多数の高校生が参加し好評でした。
 就職については、学生一人一人の希望や適正を把握した上で、きめ細かな就職指導を行いました。毎年、卒業後のケアの一環として、前年度に卒業した学生を対象に「卒業生の集い」を開催しており、これは、情報の交換等を通じて職業人としての意識の向上につながっています。平成23年度は7月10日に開催し、75名参加しました。また、キャリア教育の一環として、幼稚園教諭、保育士として働くことを前提とし、保育者としての意識の向上につながるスキルを習得するため、2年生を対象に外部講師による職業講座を開催した他、就職ガイダンスとして1年生を対象に2年生の就職活動体験発表会を行いました。
 本学では、教育実習、保育実習や施設実習は、幼稚園・保育所などの役割を体験を通して学びながら、教育や保育の本質を理解することは極めて重要であると考えています。このため、実習受け入れ先の指導担当者と本学職員とで、学生の実習状況について懇談し、今後の指導の参考にするため、毎年懇談会を実施していますが、平成23年度は、中央地区の開催で12月に本学を会場に実施しました。また、新入生の基礎的学力と基礎的学習スキルを確実に身につけさせ、短大生活のスタートをスムーズに行えるようにするための初年次教育を平成22年度から実施しています。平成23年度は、マナーやボランティアの講習会、レポートの書き方や保育用語漢字テスト、音楽基礎の充実のためチャペルコンサートのコーラスの基礎練習、地域の文化に触れ美の感受性を高めるための美術館見学及びパフォーマンスを中心とした学外研修などの活動を実施しました。
 幼稚園については、本園の教育目標を達成するために、園児の年齢にあわせて次のように年間の諸行事を行っております。例年実施している父の日の「ファミリーデー」を家族との絆を深めるための行事として充実させ、毎月の「誕生会」(その月生まれの園児の成長を祝い、神の祝福を願う)ほか「ぽっぽちゃんくらぶ」は、就園前の親子を対象に、遊ぶことの楽しさを味あうことを目的に年間8回開催し、延べ311組の母子が参加し盛況でした。その他に春の親子遠足、夏のお楽しみ会、秋のいも掘り、運動会、幼稚園祭(作品展)、七五三祝い、クリスマスパーティ、お餅つき等を計画し、園児の家庭の協力を得て、計画どおり実施することができました。
 保護者のニーズに対応して、子育てを支援するという観点から行っている「預かり保育」も8年目となり、母親が就労する家庭の増加や隣接するベビー保育園からの入園者の増加により、利用者も年々増えております。朝7時30分からの早朝預かり保育は延べ人数で3,810人、午後6時30分までの預かり保育は延べ6,272人、日曜日等の休業日は延べ715人、夏季休業日には延べ492人の利用がありました。
 子育ての指導や日頃の子育てについての悩みなどを話し合い、本園の教育の基本であるキリスト教についても話し合う「学び語り合う会」を希望者の参加を得て例年のとおり開催しました。また、ファシリテーターに短大教官を招いて「親支援講座」を年7回開催し、子育てに不安を持っている親や転勤族で身近に話し合える人がいない親等が参加し、講師の助言により子育ての悩みなどを解消する効果を上げました。
 教育環境の充実については、近年の地球温暖化に対応して快適な保育を行うため、各保育室に冷暖房設備(エアコン)を設置しました。また、誘導灯をLEDに交換して省エネルギー化を図ったほか、空気清浄機や園児用のテーブルを購入しました。そのほか、東日本大震災の教訓から今後の災害に対応するため、県の補助を受けて非常用自家発電機を設置しました。

平成24年度入学者・志願者数及び学生数
募集人員
志願者数
合格者数
入学者数
在籍数(平成24年5月1日現在)
1年
2年
100
208
131
129
130
127
257

監査報告書

平成24年5月25日 学校法人聖園学園 理事長 青木光子様

 私たちは、学校法人聖園学園監事として、私立学校法第37条第3項及び学校法人聖園学園寄附行為第32条に基づいて、本学校法人の平成23年度(平成23年4月1日より平成24年3月31日まで)における理事の業務執行状況並びに財産の状況について監査いたしました。その結果を以下のとおり報告いたします。
監査年月日 平成24年5月25日
監査の結果
1 理事の業務執行状況について
 事業の管理運営について、理事の職務遂行に関する不正の行為又は法令もしくは寄附行為に違反する重大な事実はなく、理事の業務は適確に執行されていることを認めます。
2 財産の状況について
 計算書類(資金収支計算書、消費収支計算書、貸借対照表並びにその付属書類)について監査の結果、会計制度とその運用は整備され、上記の計算書類は学校法人会計基準に準拠しており、当法人の平成24年3月31日現在の財政状況及び同日をもって終了する平成23年度の会計と経営状況を正しく示しているものと認めます。よって財産の状況についても、不正の行為、法令違反、寄附行為に違反する事実はないことを確認しました。
以上

監 事 西村喜子(印) 佐々木仲子(印)